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【展望台】1 安倍人気と拉致騒動の裏 内閣官房副長官から自民党幹事長に異例の抜擢をされた安倍晋三氏が大人気だ。イケメンで 49歳と若い。しかも拉致問題では「断固原則を貫いて」いるところが、国民に受けているとか▲だが、そもそも拉致被害者5人の一時帰国に際しては、10日ほどして平壌に戻り、家族どうし話し合って今後の身の振り方を決めさせるという、両国政府の約束があった。その約束を覆して今日の紛糾を招いたのは、ほかならぬ安倍氏自身である▲かといって、朝鮮側が拉致被害者の家族を無理やり手元に引き留めておく理由はない。ただ、家族らは親たちが日本人であることも、親たちが朝鮮に連れてこられたいきさつも知らない。 その辺の事情を説明し納得させられるのは、親たちだけであって、他人では無理である。だからこそ両国政府のああいう合意があったのだ▲今からでも日本政府が敵視政策を撤回し、その間の非礼を詫びたうえで、約束どおりに、拉致被害者たちを平壌に行かせ、家族らを自ら日本に連れ帰らせるようにすれば、問題は解決する。一方的に約束を破っておいて、やみくもにこっちに寄越せと怒鳴ってもこじれるだけだ▲かりに日本政府の言うとおり、親子の話し合いもなしに今すぐ日本へ帰すとしよう。 前後の事情も飲み込めず、言葉も習慣も分からない異文化空間に放り込まれ、まわりの好奇の目に晒されたら、若い家族たちはどうなるか。パニック状態に陥り、思春期の心の傷は計り知れないであろう。安倍氏らは本当に拉致被害者たちのことを思っているのか、と疑いたくなる▲安倍晋三氏を支えている「拉致議連」のメンバーらは歴史教科書議連、靖国問題議連、朝銀問題議連のメンバーとほとんど重なっているそうだ。世に言う右翼政治家たちで、最終目標が平和憲法の改悪、日本の軍事大国化にあるのは衆目の一致するところである▲安倍氏自身、隠れもない核武装論者だ。つい先日は朝米不可侵条約に反対だとも公言した。そんな条約が出来たら「北朝鮮の脅威」などと言えなくなるからだろう。 拉致被害者を足止めして無用の摩擦をひきおこすのも、軍事大国化を進める世論工作と見れば分かりやすい▲平壌宣言の基本精神は、840万人におよぶ朝鮮人拉致強制連行を含む日帝の過去と、朝鮮が犯した過ちを、ともに誠実に清算し、新たな友好関係を打ち立てようということである。マスコミは一部の偏った主張に追随せず、この宣言の精神に沿って世論を善導すべきではなかろうか。(南圭一)2003.10.7
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