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〔展望台〕4 卑怯者の戦争 ブッシュがイラクに突然現れて、嵐のように去って行った。感謝祭の食事を兵士らと共にするという名目だったが、滞在わずか2時間半。よその戸をこっそり開け、片足踏み入れただけでパッと逃げ出したようなもの。まるで臆病なドロボーさながらである。とても、世界唯一超大国の大統領の行動とは思えない。どうしてそんなにイラク人が怖いのか▲アメリカは世界の軍事費の40%を独り占めしている。冷戦中も今の軍事費と同じか、それ以上の軍備を持っていた。それでも朝鮮、ベトナムで敗けた。所詮、戦力の決定的な要素は人間であって兵器ではない。兵士の士気と練度、指揮官の能力、国民の団結が勝敗のカギなのだ。最終決戦は地上戦になるが、これまた将兵の優劣が結果を大きく左右する▲ところが米兵は、何のためにイラクで死なねばならないのか分からない。侵略戦争のために命を投げ出そうというバカもいなから、軍隊はやむなく志願した失業青年の掃き溜めになる。おまけに貧乏人の倅が死んで軍産複合体は大儲けというのがアメリカの戦争の構図だ。これでは人材も集まらず、士気も上がらない。そこで、もっぱら空爆に頼って地上戦をできるだけ避けようとする「卑怯者の戦争」がアメリカの戦法となる▲さらに困るのは米国民の世論だ。バクダンをばら撒くだけなら死ぬのはイラク人だが、地上戦になるとそうは行かない。何のためにうちの息子が、よその国に出かけて死なねばならないのか。早く家へ帰してくれ−こういう世論が高まると政権が危うくなる。そこで考えついたのが、同盟国の軍隊を弾よけに使おうという虫のいいアイディアだ。アメリカは今、韓国軍千人の戦闘部隊を追加派兵せよと迫っている▲朝鮮、ベトナムにつづいてイラクでもアメリカは敗けるだろう。それでも米軍産複合体は海外侵略を止めない。しかし、米本土に反撃のミサイルが射ち込まれるようになったらどうだろうか。アメリカは建国以来、自国内で外国と戦った経験は一度もない。何よりも、大義のない戦争で自らの頭上に直接火の粉をかぶるのを、米国民は望まないだろう▲要するに、アメリカは弱い相手としか戦争ができない卑怯者なのだ。その弱い相手にも敗けてきた。もしも、核には核で対抗すると明言し、侵略者にとって、この地球上のどこにも安全地帯はないと宣言する相手が現れたらどうなるか。死ぬのを嫌がる「卑怯者の戦争」しかできない米帝国主義は、北の先軍政治の威力を前にして内心おののいている。 南圭一 2003.12.5
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