【展望台】5

米大統領選挙と核問題

もめつづけていた六者協議がいよいよ2月25五日から始まることになった。今秋には米大統領選挙がある。四月には南で総選挙。朝鮮半島情勢はどういう方向に行くのか気をもむ向きも多い。情勢決定要因のひとつはアメリカだろう。そこで、米大統領選挙に注目が集まる▲いまのところブッシュ現大統領優勢と言われているが、油断できない。しかも今回は、圧倒的な大差で勝って「正統性」を示さねばならない負い目が彼にはある。当落を分けるフロリダ州の開票集計が混乱し、最終的には共和党寄りの最高裁判決でやっと当選できた「判決大統領」の弱みだ▲何としても大差の勝利にしたいところだろう。戦争をやらかして北朝鮮に圧勝できれば大花火になるだろう。しかしそれは無理だ。だとすれば、朝鮮半島核問題を劇的に解決して外交能力をとアピールすれば、ぐんと票が増えるだろう▲というわけで、強硬策を柔軟策に転換すればよいのだが、これがはっきりしない。メンツのせいか、政権内の意見をまとめきれないのか、それとも選挙前だから「強い大統領」を誇示せねばならないのか。民主党ケリー上院議員は、そこを鋭く衝いて「ブッシュ大統領が朝鮮と直接対話を拒否するのは無分別な行為である」とこき下ろしている▲近頃、同胞の間で、ブッシュ再選は核問題解決にどう響くか、民主党が勝てばどうなのか、などと気をもむ人が多い。しかし、米大統領に誰がなろうと本質的な差はない。所詮、米大統領はアメリカ独占資本の雇われマダムに過ぎないからだ▲これまでの情勢推移を追ってみると、朝米交渉の方向を決めてきたのはアメリカでなくて朝鮮だったことが分かる。アフガンやイラクに殴り込んだブッシュが朝鮮半島核問題の「平和的解決」を口にせざるを得なくなったのは、我が民族の力のせいである。朝米対決の帰趨は彼我の力関係で決まる。アメリカ大統領が決めるのではない▲ところで我が民族の力とは何か。北の指導者の力量、国民の団結力、軍事力である。南と海外同胞の反米自主化闘争である。南北、海外同胞の民族共助である。問題は我が民族の力をますます強めることである▲北は新年に入って、我が民族第一主義の旗のもとに6.15宣言を実現するため「我が民族対米国の対決構図を実践的に解決してゆこう」と七千万同胞に呼びかけている。マスコミ報道に一喜一憂する前に、この呼びかけの意味をよくかみしめてみるべきであろう。

南圭一 2004、2、5